お彼岸
先月のことになりますが、秋分の日を前にお墓参りに行きました。
例年、この頃は秋のバラが咲いているのですが、こちらも猛暑の影響で、残念ながら終わっていました。
花を供え、線香のけむり漂うなか、一時を過ごしていると、範彦がお世話になった方の息子さんが初夏に急逝されたことが思いだされました。
範彦が可愛がっていたこともあり、こんなに早く、あちらで出会うこととなり範彦も悲しく思ったことでしょう。
しかし良い報告もできました。急逝された方の弟さんが先頃、モーツァルトのオペラ「魔笛」のザラストロを好演したことを伝えました。
すると「僕も一緒に観賞したかったなぁ…」という範彦の声が聴こえてきました。
酷暑もやっと落ちつき、次々とお参りの方が訪れていました。
涼しい朝が戻って、道端のアサガオはこの時を待っていたかのように生き々と咲いていました。
帰り道、思いがけず白のヒガンバナに出会うことができました。赤のヒガンバナからは励ましのような力強いメッセージを感じていましたが、白い花には故人からの優しいことばが伝わってくるような感じがありました。
空を見上げると、筆でスーッと書いたような雲があり、秋を感じました。