ご挨拶「ギタリスト渡辺範彦回顧展」
ご挨拶「ギタリスト渡辺範彦回顧展」
本日は「ギタリスト渡辺範彦回顧展」においで頂きまして誠にありがとうございます。
昨年に引き続き、足をお運びくださいました方には再会できました喜びと共に厚く御礼申し上げます。
この10年の間にクラシックギターの演奏も時代の流れに伴う変化があったことと思います。
そんな中で渡辺範彦のギター音楽はいつも力強く、聴く人の心の奥に真っ直ぐ語りかけるものがあります。
この範彦の芸術を後世に伝えて行きたく、ここに再び回顧展を催すことになりました。
今回も範彦オリジナル運指が書き込まれた楽譜を展示していますが、新しく協奏曲や二重奏をした時のものを追加しました。
音源としても1978年、松山にて、オルガン奏者、小林道夫氏と行った演奏会ライブが見つかりました。
長い間、オープンテープとして大切に保存下さいました松山の愛好家の方には心から感謝しております。
CDの形に致しましたので、今日、お聞きいただけます。
範彦は30代の頃、後進の指導にも力を注ぎました。クラッシックギターに情熱を傾けていた多くの大学生や社会人の方が範彦の教室の門をたたきました。
レッスンは深夜まで延々と続き、電車が無くなることもしばしばでした。
今回、演奏をお願いした岡野さんもその中のお一人です。範彦から受け継がれた音楽が、お弟子さんそれぞれの感性により新しい音楽となって、また皆様に聴いて頂けることは範彦にとっても嬉しいことと思います。
この回顧展が前回にも増して皆さまの心に残るものでありますように願っております。午後のひと時を皆さまが範彦とゆっくりお過ごし頂けましたら幸いに存じます。
渡辺範彦メモリアル
渡邊悦子、史彦、恵美理