BLOG

メモリアルブログ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 思い出のアルバム
  4. 西村様より貴重な情報をいただきました。

西村様より貴重な情報をいただきました。

2014年9月 8日 (月)

西村様より貴重な情報をいただきました。

<師 渡辺範彦による幻のNHK音源がCD化されました>

伊福部昭 生誕百年記念アルバムの中に収録されている1曲、箜篌歌(KUGOKA)  渡辺範彦 (ギター) 1969年10月収録です。ライナーノートに曲の解説は書いてあるので、ここでは割愛することにして。渡辺範彦による初演からNHKでのスタジオ録音にいたる情報を少し書いておきます。 伊福部昭氏は現代ギター誌創刊当初から現代ギター社の顧問として日本のギター界とは浅からぬ縁をお持ちの大作曲家です。事実、ギター独奏曲「踏歌」(阿部保夫氏初演及び録音)「箜篌歌」(渡辺範彦師初演及び録音)「ギターのためのトッカータ」(初演者は現在調査中)はすべて現代ギター誌に別冊付録として作曲後すぐに公開されています。ピースとしては全音楽譜出版社から刊行されています。 「箜篌歌」について1969年春に伊福部昭氏がこのように語っていらっしゃいます。『ギターを初めて見たのは昭和元年(1926年)兄二人がギターをやり私はヴァイオリンをやり合奏を楽しむこともありました。その後番外低音弦を持つリュートギターを入手し、バッハのシャコンヌやラベルのパヴァーヌなどを自編で弾いて楽しんでいます。「箜篌歌」はギター製作家、河野賢氏に献呈しました。1968年に河野賢氏から河野ギターを贈られて、たまたま取り掛かっていたこの曲をその返礼として贈りました。作品完成と同時に踏歌の初演者阿部保夫氏が訪れ演奏を希望され、河野ギター製作所にいた渡辺範彦氏も5月のリサイタルで取り上げてくれるということで新作が多くの奏者に演奏される喜びを感じています。』 渡辺範彦師は1969年5月27日東京虎ノ門ホールのリサイタルにて「箜篌歌」を初演、同年10月NHKでのスタジオ録音をすることになる。10月といえばパリ国際ギターコンクールの予選が17日、本選が18日であることから、直前も直前かなり慌しい時期の録音だろうか?CDのデータでは10月16日が録音日とあるが、この日時には?がつく。 CDを聴いていると、そこはかとない詩情あふれる作品で、柔らかく太い音が紡ぎ出される中、メロディーを存分に歌い上げ流麗な音楽が生まれる様は、師の右手左手の動きまで目に浮かぶようで、久しぶりに師の存在を感じることができました。今まで、師のディスコグラフィーになかったこの演奏は新たな宝物となるでしょう。下の写真は1969年5月27日東京虎ノ門ホールのリサイタルにて「箜篌歌」を初演しているところです。 文 西村弘  

Image