Profile
プロフィール
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渡辺 範彦
Norihiko Watanabe1947~2004
1947年:9月11日、宮崎県日南市に生まれる。
1950年:3歳より兵庫県神戸市にて過ごす。
1955年:8歳より両親のすすめでギターを手にする。
1958年:11歳よりクラシック・ギターを松田晃演氏に師事。その後、月村嘉孝氏、大西博愛氏にも師事。
教育熱心な母親がテレビ、ラジオの子供の音楽番組に応募し、演奏する機会を多く作った。
1960年:10月8日、神戸にて行われたナルシソ・イエペス来日記念の歓迎演奏会に出演。
1965年:「第8回ギター・コンクール~現東京国際ギター・コンクール」(日本ギター連盟主催)2位に入賞。
1966年:「第9回ギター・コンクール」(日本ギター連盟主催)2位に入賞。その後上京し、ギター製作家河野賢氏の工房にてギター製作に関りながら、伴博氏、久坂晴夫氏、 理一郎氏、小船幸次郎氏、大橋敏成氏に師事。
1967年:6月29日、東京文化会館小ホールにてジョイント・リサイタルの形でデビュー・リサイタルを行う。
その翌日、リサイタル全曲目に、スカルラッティのソナタ・ホ短調とアルベニスのアストリアスの2曲が 追加されレコーディングが行われた。その録音過程は常識を超えていた。テーブを回したままで修正も無く仕上げた。それは19歳の、記念すべき第一号 LPレコードとなった。その後、東京を中心に演奏会を行う。
1968年:半年間のヨーロッパ留学をする。
1969年:10月18日、「第11回パリ国際ギター・コンクール」(フランス国営放送主催)において、日本人で初めての優勝、並びに史上初の12人の審査員満場一致の投票を得て「審査員賞」を併せて受賞。
コンクールの後、約4カ月ヨーロッパに滞在し、ロンドンにてダイアナ・ボールトン女史にタブラチュアとリュートの指導を受ける。
1970年:6月16日銀座ヤマハホール、9月5日東京文化会館小ホールにて行った帰国後初のリサイタルは、日本のクラシック・ギター界に大きな反響を招いた。
10月、フランス全土で15回の演奏会を行う。
12月、パリにて「国際ギター・フェスティヴァル」に出演。
1973年:1月から2月にかけて、アメリカ、カナダの17都市で演奏会を行う。この演奏旅行をきっかけに、各都市において日本のクラシック・ギター界への注目が改めて高まった。カナダ・バンクーバーの「ザ・サン」紙に掲載された演奏会評で、ロイド・ディック氏は「日本人ギタリスト、人々の心に響く音の芸術」と題し、25歳の渡辺は高度な技術と衝撃的なほど成熟した音楽性を持ち合わせている、と評している。
1975年:4月から1年間、NHK総合テレビ「ギターを弾こう」に講師として出演。誠実な教授ぶりで、視聴者の注目を集めた。毎回の「ミニミニ・コンサート」にはリクエスト投書が数多く寄せられ、総合テレビの人気番組並みの反響を呼んだ。
1976年:10月21日、「第18回パリ国際ギター・コンクール」(フランス国営放送主催)に客演として出演。ロンドンのウィグモア・ホールにて、イギリス・デビュー演奏会を行う。上野学園大学ギター科の講師を務め、自宅においても後進の指導に当たる。10名を越える門下生を、次々と日本国内のギター・コンクール入賞へと導いた。
1978年:井阪紘氏プロデュースにより、3枚のLPレコードを制作。
1980年:4月、韓国・ソウルその他5都市にて演奏会を行う。6月、久石譲氏の編曲・指揮による、東京ヴィヴァルディ合奏団との共演で、LPレコードを制作。
1984年:5月、韓国にて演奏会を行う。
1987年:5月、中国・珠海市にて開かれた「国際吉他芸術節」に招待演奏家の一人として出演。当地の「珠海特区報紙で絶賛される。
1989年:4月28日、福井放送会館にて演奏会を行う。1967年のデビュー・リサイタル以来、20数年間の演奏活動を行ったが、これがホールでの最後の演奏会となった。
1990年:43歳の頃より体調を崩し、療養生活に入る。
1998年:山野楽器より特別企画CDアルバム「渡辺範彦の芸術」が発売。
2004年:2月29日、永眠。享年56歳。
人物とエピソード(Wikipediaより)
人物とエピソード
渡辺は、デビュー時から完成された技巧と成熟した音楽性を併せ持っていたが、極めてナイーブかつ誠実な性格で、レパートリーを限定し、完全に※自家薬籠中としたもののみを録音ないしは演奏会でとりあげる、完全主義者として知られていた。
渡辺のスタジオ録音は、ほとんどがワン・テイクで完了。
ライブ収録でも、レコード化するにあたっての編集が不要なほどの完成度であったという。
2006年、渡辺が1971年に成蹊大学で行なったリサイタルの音源がCD化され、その完璧な技巧と豊かな音楽性に彩られた演奏が若い世代にも評判を呼び、2007年2月にも渡辺の録音が復刻されるなど、再評価の気運が高まっている。
※自家薬籠中の物
読 み: じかやくろうちゅうのもの
意 味: 自分の薬箱の中にある薬のこと。転じて、必要に応じて自分の思うままに使える物、または人。単に「薬籠中の物」とも言う