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坂井様より”嬉しいコメント”をいただきました!

坂井様、ありがとうございました!(管理人)


坂井 和

渡辺範彦メモリアルについては浜野茂樹さんというギタリストの方が配信していらっしゃるメールマガジンで知りました。

昨日の配信に渡辺範彦さんのヴィラ=ロボスの前奏曲第5番の演奏と渡辺範彦メモリアルへのリンクが付されていたのです。今聴いても本当に素晴らしいです。

渡辺範彦は私が最も大きな感動を頂いたギタリストの一人です。

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私は来月で71歳になりますが、1967年に現代ギター誌に掲載された佐藤豊彦とのジョイントリサイタルの評ではじめてその名を知り、そしてデビューレコードの豊かで美しく、若さみなぎる演奏に驚嘆したことがつい昨日の事の様です。

返す返すも残念なのはパリのコンクールでの優勝後間もない東京でのリサイタルのチケットを買ってあったのに、当日高熱を出してしまい行けなかったことです。

しかしその後少ししてヴィラ=ロボスの作品を集めたコンサート(生誕何年とか没後何年とかの記念コンサートだったのではないでしょうか)で聴くことが出来ました。

ソプラノの伊藤京子、クラリネット奏者浜中浩一など当時の日本のクラッシク界の錚々たる顔ぶれに伍して出演者中最年少の渡辺がヴィラ=ロボスの5つの前奏曲と練習曲第11番を見事に弾ききったのに感動し、またギターを愛する者として誇らしく思ったものでした。

なにしろ当時はギターはクラシック音楽の中ではマージナルな存在でしたから。

その後は何故かコンサートに伺わせて頂く機会が無く、また長く海外(フィリピン)に住むことになったため、時たま帰国した時にレコード店で見かけるCDを購入して聴くくらいでした。

しかしそのたびにその音楽の豊かさ(躍動感、内から迸りでる力強さ、フレージングの見事さ、そして暖かで美しい音)に魅了され、不世出の演奏家でいらしたことを思うのでした。

今はギタリストたちの演奏技術は格段に向上し、レパートリーも増え、ピアノやヴァイオリンに負けないような演奏が聴けるようになりました。

しかし渡辺範彦が持っていたような心を豊かにし、安らぎを与えてくれる音楽にはなかなか出会えません。

今回ひと月ほど帰国している間に浜野さんのメールマガジンで渡辺範彦メモリアルを知り、CD/DVDを注文させて頂けたのは実に幸運でした。

今後他の録音も復刻するなどして、渡辺範彦を知らない若い世代にもこの稀有のギタリストの演奏を伝えて行っていただければと思います。